ECサイトの改善の仕方と具体的な施策をわかりやすく解説!売上に悩むECサイト運営者に向けて、課題の見つけ方、サイト改善につながる考え方などをご紹介します。
自社運営のECサイトの売上がかんばしくない…。そうした状況に悩んでいる運営者は多いのではないでしょうか。ですが、こうした「困った状況」は、適切なプロセスに沿ってサイトの課題を見つけ、最適な改善策を施すことによって、抜け出すことが可能です。
ここでは、ECサイトの改善の仕方と具体的な施策について解説していきます。
目次
ECサイト改善のプロセス
ECサイトは規模の大小はあっても、目指すところは売上の拡大です。そのためには集客を増やし、いかに購入につなげるかが重要になります。
集客については、広告を出稿したりすることで対応できますが、購入率を高めるためには、サイト内の改善が必要です。こうした改善は、下記のように決まったプロセスに沿って進めていくことが大切です。また、このプロセスを繰り返し行うことで、改善の効果をさらに高めることができます。
1. 課題を見つけ、目標を定める
ECサイトの運営では、集客やコストダウン、バックヤードの業務効率化なども重要な課題です。サイトの改善にテーマを絞れば、課題は売上の拡大、さらには、来店したユーザーを効率良く購入につなげる「購入率の向上」になります。
この課題を数値化し、例えば「購入率を◯◯%までアップする」「購入率を上げることで、平均の客単価を◯◯円以上にする」というような定量化された目標を定めます。
2. 改善策を検討し、実践する
続いて、定量化した目標を達成するための施策を検討します。もちろん、施策はひとつだけとは限りません。考えられる数多くの施策の中から効果が出やすいものを選び、実践しましょう。
3. 効果を測定・検証する
何らかの施策を行ったら必ず効果測定をし、どの程度の結果が表れたかを検証することは必須です。もしも効果が見られなければ、ほかの策を講じて再び結果を検証します。
ECサイトの改善は、一度で終わるものではありません。課題を見つけて改善し、その結果を検証するというサイクルを繰り返し、より洗練されたECサイトを目指しましょう。
ECサイトの課題をどうやって見つけるか
ECサイトの課題を見つけ、改善を行うには、見るべきポイントが2つあります。ひとつは、訪問者が多いページ。もうひとつは、訪問者と購入率のバランスが崩れているページです。
これらのページから改善していくと、効率良く改善を進めることができます。
訪問者の多いページをチェックする
訪問者が多いページは、サイトへのアクセス傾向が読み取りやすく、改善の結果が大きく表れやすいページといえます。ですから、まずはアクセスの多いページをチェックしてみましょう。
どこからの流入が多いのか、デバイスはPCかスマートフォンか。また、トップ以外のページのアクセスが多いなら、その理由を分析してみてください。ユーザーのニーズを読み取ることができ、サイト全体の改善に役立てることができます。
バランスが崩れているページをチェックする
訪問者数が少ないのに購入率が高い。こうした「バランスが崩れた」ページは、流入を増やす施策を行うことで、効率良く売上を伸ばせるはずです。
反対に、多くのアクセスがあるのに、購入率が伸びないページは、購入への導線に問題があると判断できます。わかりやすい導線を設けたり、ユーザーの入力の手間を省いたりすることで、購入率の向上が期待できます。
ECサイト改善の具体的な施策
ECサイトの改善策は、その内容によって3つに分けられます。まず、ユーザビリティを高めて、快適なショッピングを楽しめるようにすること。次に、商品の魅力を十分に伝え、購買意欲を高めること。そして、ECサイトそのものの信頼感を高め、安心感を増すことの3つです。
ただし、どのような改善を行うにしても、重要なのは「お客様目線」です。お客様の立場で、お客様にとって快適な環境を整えることが、売上の向上につながると考えることを大切にしましょう。
また、これからご紹介する基本的な改善の施策を、すでにある程度行っているという場合、サイト内商品広告を出すという方法があります。サイト内商品広告とは、ECサイトのサプライヤーであるメーカーや出店者が広告出稿することで、検索結果画面の広告枠に、サプライヤーがECサイト内で販売している、検索キーワードにマッチした商品を表示させるというものです。
Supershipでは、au PAY マーケットなどで実績のある「S4Ads」というサイト内商品広告ソリューションサービスを提供しています。これを組み込むことによって、ECサイトの運営者には、商品販売のほかに広告収益も上げられるというメリットが、広告主には、商品がユーザーの目につく場所に表示されることで、商品が売れやすくなるというメリットが生まれます。
ユーザビリティを高める
商品ページが見づらかったり、情報の在り処がわかりにくかったりすると、ユーザーは「もういいや」と離脱してしまいます。ですが、ユーザビリティを高めることで、欲しい商品を探し、見つけ、購入する一連の動きがスムーズで快適になれば、ユーザーを無理なく購買へと導くことが可能です。
ユーザビリティを高める具体的な施策は次のとおりです。
・商品検索を強化する
ECサイトを訪れるユーザーは、欲しい商品を素早く見つけたいと思っています。ですから、商品のカテゴリー分けは、見やすく、わかりやすいものでなくてはなりません。
また、商品数やカテゴリー数が多いサイトであれば、検索ツールを活用すると効果的でしょう。ECサイトでよく使われるシステムの多くに検索ツールが付属していますが、高精度の検索を可能にした、特化型の検索エンジンも登場しています。Supershipでは、大規模なECサイトに適した、フルカスタマイズ可能な「S4」や、「S4」よりもリーズナブルに導入可能な「S4LE」といったツールを提供しています。このようなツールをサイト内に組み込むことで、欲しい商品に最短距離で届くルートを用意でき、ユーザビリティを大きく向上させることが可能です。
・見やすいページ構成にする
たとえ多くの情報が詰め込まれていても、きちんと整理されたページは見やすく、わかりやすいものです。こうしたページを作るには、まず不要な情報をできるだけ削除し、ユーザーにとって必要な情報に絞り込むこと。そして、見やすいページデザインにまとめることが大切です。
デザインの自由度は使っているシステムによって差がありますが、その中でも最善をつくし、「見やすいページ」を心掛けましょう。
・ユーザーの導線を見直す
サイトを訪れてから商品を探し、購入するまでのプロセスで、何回クリックしなくてはならないか。また、どれほどの入力項目があるか。これらの手間が多すぎると、ユーザーは「面倒だな」と感じてしまいます。これは、離脱やカゴ落ちの大きな要因にもなります。
購入までのユーザーの行動を分析し、ステップ数を減らすことで、ユーザーの負荷を軽くすることが大切です。
・モバイルサイトを強化する
ユーザーが利用するデバイスはPCなのかスマートフォンなのか。その比率は、扱う商材によっても違います。しかし、スマートフォンでのアクセスは、今後も増えていくと思われます。
何らかの改善を行う際には、PCサイト以上にモバイルサイトに注力することを考える必要があるでしょう。
・サイト速度を上げる
スマートフォンへの最適化を考えるなら、通信・表示速度を上げることも重要な施策です。たとえわずかな時間でも、ページの表示速度が遅いと、ユーザーは離脱してしまいます。そうしたことのないよう、シンプルなページ構成とデザインで、ページの表示速度を高めることが重要です。
・豊富な決済方法を用意する
ネット通販というと、過去には代引き払いとクレジットカードによる決済が定番でした。しかし現在では、コンビニ決済やバーコード決済など、多くの決済方法が登場しています。ユーザーは、自分に都合の良い方法、使い慣れた方法で支払いたいと思っています。ですから、購入機会を逃さないためには、できるだけ多くの決済方法を用意しておきましょう。
・カゴ落ちを防ぐ
商品をカートに入れはしたものの、決済せずにそのまま離脱してしまう。こうした「カゴ落ち」が起こる理由はいくつかありますが、購入手続きのわかりにくさや煩雑さ、説明不足による不安も、大きな理由となります。
購入までのステップをできるだけシンプルにするとともに、支払いやお届けについての説明を手厚くするなどして、ユーザーの負荷と不安を軽くする工夫を行う必要があります。
商品の魅力を十分に伝える
商品の魅力を漏れなく、十分に伝えることは、購入を促す最大の要素です。その商品ならではの独自性やほかにはない特徴があれば、しっかりとアピールしましょう。
魅力をユーザーに伝えるためには、キャッチコピーや商品画像、イラストなどを効果的に使うことが大切です。
・商品画像とコピーを見直す
商品画像は、商品の魅力と特徴を伝える重要な要素です。商品の特徴がわかるよう、大きくきれいな画像を使いましょう。また、細部のディテールや質感などがわかる画像を用意できれば、ユーザーへの訴求力はさらに強まります。
商品を紹介するコピーは、具体的でわかりやすいものを用意することが大切です。例えば、「大容量で使いやすいバッグ」というよりも、「1.5Lのペットボトルが4本入ります」「口が大きく開くので、出し入れが楽で使いやすい」というコピーを画像といっしょに並べたほうが、説得力が増します。
・必要十分な情報を入れ込む
商品情報は、詳しいほうがいいのはもちろんです。しかし、あまりに情報量が多すぎると、かえって見づらいページになってしまうというリスクも。ユーザーが知りたいと思う情報を絞り込み、掲載するようにしてください。
また、単なる商品紹介だけでなく、使い方のヒントやアドバイスなど、ユーザーの役に立つ情報を盛り込むのもいいでしょう。
・関連商品をプッシュする
大手のECサイトでは、商品ページに「こちらの商品も見られています」というように、関連商品が掲載されていることが多いです。これは、ユーザーにとっては自分のニーズに合う商品を見つける手掛かりになるため、貴重な情報となります。
関連商品を次々に見てもらうことで、ユーザーの回遊率が高まるというメリットもあります。また、サイト改善による具体的な目標を「客単価のアップ」と定めている場合、回遊率の上昇によって、ユーザーの購買意欲が高まるので、目標達成の有効な施策のひとつとなるでしょう。
信頼感と安心感を増す
すべてのユーザーは、安心して買い物をしたいと思っています。ですから、「なんだか胡散くさいお店だな」「あまり信頼できそうもないな」と感じると、早々に離脱してしまいます。
店舗の信頼感や安心感を増すための施策はいくつかありますが、重要なのは「十分な情報を公開し、丁寧に説明すること」です。特に、支払いや配送、キャンセル、返品・交換についての記述が不十分で曖昧だと、ユーザーに不信感を持たれがちですから注意してください。
・レビューや口コミを入れる
レビューや口コミは、その商品を買おうと思っているユーザーにとって、貴重な情報です。単に「良かった」「良くなかった」というだけでなく、「どこが、どのように」という要素が加わると、非常に有用な情報になります。
購入したお客様に詳しいレビューをお願いしたり、投稿に対してインセンティブを設定したりするなど、口コミ情報を増やす工夫を施してください。
・商品のデメリットも伝える
商品のメリットだけではなく、デメリットを伝えるのも良い方法です。「このような用途には向きません」ということを明示しておけば、代わりにほかの商品をすすめることもできます。何よりも、運営サイドとしての誠実さが感じられますし、購入後のクレームを減らすことにもつながります。
・FAQを用意しておく
説明文や記事を読んでもわからないところがあると、ユーザーはその時点で離脱しやすいものです。特に、決済方法や配送、キャンセル・返品のルールなどは店舗ごとに違いますから、わかりやすく十分な説明が必要となります。
問い合わせの多い事項についてはFAQにまとめておき、ユーザーがわざわざ問い合わせをしなくてもいいように配慮しておきましょう。
常にお客様目線でECサイトの改善にあたる
ECサイトの改善には、さまざまな施策があります。しかし、重要なことは「常にお客様目線に立つこと」です。運営サイドが良かれと思って改善しても、それがお客様の目線に立ったものでなければ、独りよがりの改変に終わってしまいます。
「自分がお客様だったら、どうしてほしいだろうか?」「どんな情報が欲しいだろう?」という発想を常に持ちながら、ECサイトの改善にあたってください。