ママリ様導入事例 – インタビュー
ママリのアプリ内検索導入事例について
アプリ内で検索を導入いただいているママリ様に取材させていただきました。
アプリ内検索の導入前後の効果や今後の取り組みについて話していただきました。
取材対応者:齋藤 大輔 コネヒト株式会社 サービス部 部長
取材者:高橋 敦彦 Supership株式会社 データビジネス事業部

ママリの紹介
「ママリ」はQ&Aアプリ、情報メディアを展開する、国内最大級のママ向けサービスです。
「ママの一歩を支える」というミッションのもと、記事やQ&Aのやりとりを通してママが抱える悩みごとを解消しています。多くのさまざまなママたちの声が集まる場という特徴を活かし、購買判断を支える「ママリ口コミ大賞」や行動したママを受け入れやすい社会をつくる「変えよう、ママリと」を開始。家族の意思決定者であるママを支えてまいります。
アプリの紹介
iOS:http://apple.co/2jjuY9f Android:http://bit.ly/2xt1lsz
目次
アプリ内検索エンジンを入れる前の状況を教えてください
アプリ内検索エンジンを導入したのは、サービス提供を開始して約3年が経った2017年9月からでした。もともと検索をしたいというユーザーからの要望は多くありましたが、ママリの提供価値は「コミュニケーションを起点として共感を生み出すこと」だと考えていたので、あえて検索機能というものをいれてきませんでした。
—– なぜあえてアプリ内検索エンジンを入れていなかったのでしょうか?
先ほど少し触れましたが、ママリの提供価値は「コミュニケーションを起点として共感を生み出すこと」。ユーザー同士のやりとりを通じたあたたかいコミュニティを目指しています。
ママリでは、ユーザーが普段投稿している質問は日頃の悩みや不安であることが多く、それらに共通の回答というものは存在しないケースも多く存在します。みんな同じ悩みを抱えながらも辛い状況から逃れられない。そんな状況では、ただ状況を理解してくれる存在が今この瞬間にいてくれるだけで救われるのです。
検索機能があれば、質問せずに検索することで求めていた回答にたどり着けるかもしれません。
しかし一方で、「同じような質問をしている方がいるので検索してから質問してください」と言われかねません。
そこで、検索機能そのものがなければユーザーは投稿するしかないという空気を作ってきました。
アプリ内検索を導入したタイミングやその後のユーザーの反応について
約3年ほどかけて、ユーザー同士がコミュニケーションを通じて支え合う文化が根付いてきたタイミングでアプリ内検索機能をリリースしました。
—– アプリ内検索を導入した後のユーザーの反応はどうでしたか?
ポジティブな反応が多かったですね。
質問検索機能が欲しいとずっと要望をだしてくださっていたユーザーの方がおり、検索機能をご案内したときに「迅速、丁寧なご返信ありがとうございました。自分の願いもサイトに反映されて、とても嬉しいです。これからもアプリ『ママリ』を使わせて頂きながら、育児を楽しみたいと思います。」というメッセージをいただきました。また、アプリ内の反応としても「わ!!!検索がタグじゃなくて単語で検索できるようになってる!!!たすかるー!!」「最近、検索魔だなー。ママリの妊活、為になるーっ!」など、リリース直後からユーザーに好評です。
アプリ内検索を導入した後もあたたかいコミュニティが維持できているのではと考えています。
アプリ内検索を入れて良かった効果
ユーザーにとって女性限定コミュニティ内での匿名投稿というクローズドな環境でも必ずしも質問ができる人たちばかりではありません。一定数のユーザーは、質問するのはハードルが高いと感じています。
アプリ内検索を導入したことで悩みを検索し、知りたい質問や回答を見つけやすくなったためユーザーの満足度が上がったのを感じています。
—– アプリ運営者としてアプリ内検索を入れて良かったことはありますか?
機能に対してはユーザーから好評でしたが、ユーザーの検索データもサービス改善に寄与しています。
月並みではありますが、声にならない声を得ることができるからです。
例えば「おむつ」というキーワードを例にとりあげてみます。
質問、回答のコミュニケーションの間に出てくる「おむつ」というキーワードは顕在化した現在/過去の事実が出てきやすい。「使ってみてよかった」などといったものですね。
一方でユーザーの検索行動からは、例えばどういう「おむつ」が求められているのかの未来的な視点でニーズを理解することもできます。
ママリ内で検索された現在進行系で「おむつ」に悩む人の検索行動を分析してクライアントへの提案内容に盛り込むこともあります。
投稿内容や検索のキーワードには購買などのユーザーの意思決定に影響する言葉が豊富にあるため、データとしての需要が高いですね。
ユーザーの意思決定に関するデータが検索から見えるというのは、ママリにとってとても大切な財産です。
検索のデータを使ってアプリに活かしていることありますか?
ユーザー向けコンテンツとして他のユーザーが悩んで検索したキーワードをランキング形式で定期的にアプリの「お知らせ」で発表したことがあります。

Q.アプリ内検索を使用している割合を教えてください。
1日のアクティブユーザーの3割から4割くらいがアプリ内検索を使ってくださっています。検索ワードはさまざまです。ユーザーの顕在化している課題やニーズにあわせて検索するパターンが多いです。
例えば・・
・妊娠7カ月のXXX
・生後7カ月のXXX
・子供の発育について調べ続けている人
子育てや妊娠の困りごとなどを検索をする人が多いです。
ユーザーの現在の状況によって検索キーワードが変容していくのが特徴です。
Q.メディアでアプリ内検索を3割から4割が使用しているのは多いですね!
ユーザーのアクセス頻度が高いサービスであることが要因ですね。
ママリは検索ありきのサービスではなく、どちらかというと隙間時間に不安や悩み事を打ち明けるコミュニケーションに価値を感じていただくユーザーが多いアプリです。そういうユーザーは他のユーザーの質問に対するリテンションが高いので1日に何回もアクセスして他の人の投稿を見たりコミュニケーションを交わしたり、その間に気になったことを検索したりしています。
また、質問を見たときに関連して気になるキーワードでシームレスに検索できるように、質問にはタグを表示したり、検索結果にサジェストを表示したりと工夫しています。この機能によって、ある質問を見た時に、もう少し違った角度から知りたいときに検索できますし、望んだ検索結果ではなかった場合でももう一段深堀りできるようにしています。

Q.アプリ内検索の速度について満足していますか?
検索速度については、大変満足しています。
現在、貴社からの提案でアプリ内検索のバージョンアップを提案していただき、倍くらいの速さになると伺っています。とても楽しみにしています。
Q.サポート体制についていかがですか?
今、すごく頻繁にやりとりがあるわけではないですが深夜の時間帯に負荷が高くなった時にもすばやくレスポンスいただけて非常に助かっています。
また、システムのバージョンアップによるレスポンススピードの向上についても宇都宮(「S4」の開発責任者)さんや勝丸(開発担当)さんの提案からでした。適切なサポートに満足しています。
Q.ママリで今後やってみたいことはありますか?
「ユーザーへの価値還元」「クライアントへの価値還元」をしていきたいと思っています。
ユーザーへの価値還元について
ママリのユーザーは妊娠中の同じ月齢の人や同じ月齢の子供のいるママがいたりします。家庭環境や生活環境がまったく違うので検索結果のパーソナライズができたら面白いなと思っています。
一方で、冒頭に申し上げた検索を導入しなかった理由もあるのですが、ママリはコミュニケーションを大事にしたいので検索機能をコミュニケーションになじませられるような作りをしたいと考えています。
例えば、検索したときにその場では解消しなかったユーザーに対して、時間差で記事がリリースされたら教えてあげるなど、アクションに繋げることができるようになるのが理想です。
クライアントへの価値還元について
質問や回答の投稿についで「検索のキーワードや検索の行動履歴」というのは重要なアセットのひとつだと考えています。
投稿には一定のハードルがありますが、検索は誰でも気軽にできるのでママや家族の困りごとをいちはやく察知することと、それを元にした広告商材の開発やクライアントの提案の材料としてこれまで以上に積極的に活用していきたいと考えています。
ユーザーにもクライアントにも喜んでいただけるようにがんばります!
Q.今後のママリの展望を教えてください
2018年に出産をしたママの3人に1人(「ママリ」内の出産予定日を設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の出生数から算出。)が利用しており、妊娠・出産のアプリとして広く認知されてきました。
今後は、プレママ・ママだけでなく、家族の意思決定を支えられるようにしたいなと考えています。
そのためには、アプリ内検索はママリの大切な機能の1つなのでアプリ内検索のS4とはこれからも連携しながらサービスの成長を実現したいと考えています。
今後ともよろしくお願いいたします。